今もボトルド・イン・ボンドと書かれた銘柄のバーボンを見かけます。
その意味は違法なことをしていませんよという政府のお墨付きと言うか、政府が税金のとここぼしを防ぐため行った政策の名残なんですよね。
それは1897年に制定された
引用:https://bottledinbond.heavenhilldistillery.com/
当時はまだ禁酒法も制定されいなかった時代でしたので、普通にお酒を飲めました。
その当時も、アルコールが税収の対象にされていたのですが、悪いことを考える人はいつの時代もいるもので、アルコール販売は酒造と販売が同じだったこともあり、水で薄めて販売する輩がではじめたから。
製造するアルコールの量は決まっているが販売されるバーボンなどのお酒の量は増えている。
政府にしたら税金が薄められているようなものでたまったものではないということで、1938年7月1日より、内国歳入法で保税蒸留酒に次のような表示を義務付けました。
その年、その季節に蒸留された原酒のみアメリカ政府が管理している保税倉庫「BOND」で100プルーフ(50度)で、瓶詰め「BOTTLED」しないといけないというもの。
その条件は7こある
- 同じ蒸溜所で造られたものであること
- 各スピリッツは同じ材料で造られること
- 1〜6月もしくは7〜12月の2シーズン以内に造られること、跨いではいけない
- 政府の保税倉庫で最低4年保管すること
- 純水な水を使うこと
- 100プルーフに調整して瓶詰め
- 製造工場の名前と番号を記載する
瓶詰めされたお酒には政府が発行した次のような内容のシールが貼られます。
「このボトルは、内国歳入法第2903-9条の規定に基づいて充填され、刻印されています」
8年以上熟成
このシールが貼られていないお酒は密造酒扱いに。
その頃のアメリカでは熟成は8年以内とさだめられていたので、それを超えるバーボンは、ボトルド・イン・ボンドの適用されない。
熟成年数が8年を超えていればボトルド・イン・ボンドとはみなされなかった。
100プルーフですべて同じ年に蒸留されたにもかかわらず、保税とはみなされず、代わりに赤い税金の帯を貼られた。
現在は廃止された
その後、何度か改正がありボトルド・イン・ボンド法は1980年1月1日、当法律は廃止されたため、ラベルには記載されなくなり、シールも貼られなくなりましたが、たまに、ボトルのキャップ部分に緑色のシールが貼られているものがあります。
未開封を証明するものだと思っていたのですが、その頃の名残でした。
ボトルドインボンドと書かれた銘柄もたまに見かけますが、これもその頃の名残ですね。
同じ銘柄でも高級というかハイブランドのイメージを付けたいものに書かれているイメージがあります。
ウイスキーバブル
うちはバーボンが専門なので取り扱うこともありませんが、軽井沢と言う閉鎖した蒸溜所のウイスキーが、2015年に香港のオークションハウスで1本1400万円の値段をつけました。
※現在はウイスキー軽井沢の美味しさ、素晴らしさを継承していこうというプロジェクトが立ち上がり、戸塚酒造という老舗の酒蔵が、軽井沢ウイスキー株式会社を設立しまし軽井沢ウイスキーの復活を試みています。
こうなると、飲みたいというのではなく、投資の対象として見られている感がありなんだかなぁとおもいますね。
投資ではないが、山崎や白州のプレミア価格もどうかと思います。
小売希望価格が5000円くらいだったものが普通に15,000円位と3倍になって売られるのが普通になり、ありがたがって飲んでいる人がいます。
確かに美味しいお酒ではあるが、値段と世間の煽りによって造られたプレミアで下駄を履かされているように思います。
同じウイスキーならバランの21年、マッカランなら12年のシェリー樽熟成などホントの意味でのプレミアムウイスキーが買えますし、バーボンだったらブッカーズやブラントンなどのプレミアムバーボンレベルです。
申し訳ありませんが、これらのお酒に比べてノンビンテージの山崎が勝てるとは思えないですね。
山崎を飲むならカヴァランのほうががいいと思いますよ、値段も定価なら同じくらいだし、プレミア価格を考えるなら3本買えます。
それにカヴァランの創業者が山崎をかなり意識して造っていると言ってますしね。
Tax strips
先程の緑のシール、ヴィンテージバーボンなどの証明として用いられるそうで、
これが貼られているということは1980年より古く、未開封だという証明になりプレミアが付きます。
イギリスではビンテージ物のお酒を販売するオークションハウスもあり、私もたまに覗きに行きますが、エゲツない金額で取引されているモノがあります、ほとんどがウイスキーです。
マッカランの78年モノ以前見たもので、このようなものがありました。
78年前のものというわけではなく、ちゃんと蒸溜所で78年貯蔵されていたものを記念ボトルとして売りに出したもので、売り出し価格は不明ですが、落札価格が日本円で2000万円くらいでした。
日本にいたら感じませんが、世界的には好景気な国や個人もおり、今後も値上がりするのかもしれません。
ウチにもオファーが来た
取引のあるインポーターさんからの連絡で、ゴードン&マクファイル社がエリザベス女王プラチナジュビリー(即位70周年)
金額を聞くと小売価格300万とのこと。
買っておけば、それなりの儲けが出るだろうが、そんな金はない(笑)
まとめ
ボトルインボンドとは今では廃止された法律の名前。
今でも使われることもあるが、それは同じ銘柄でもハイブランドを意識されるようなものに使われたり、緑色のシールは未開封の意味もあるがプレミアム感を付けるために貼られているイメージが有る。
私がこの記事を書きました